医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

コロナ国産経口薬と感染症2学会理事の製薬マネー

第73回

医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦

2022年9月15日号

 9月2日、日本化学療法学会と日本感染症学会が、加藤勝信厚生労働相に対して、「新型コロナウイルス感染症における喫緊の課題と解決策に関する提言」を出した。そのなかで、「現在、薬事・食品衛生審議会で議論されている国産の新型コロナウイルス感染症治療薬を早期に緊急承認すること」を強く求めている。これは、実質的に、塩野義製薬が申請する「ゾコーバ」を念頭とした提言だ。  塩野義製薬のゾコーバは、同様の機序で効果を発現する「パキロビッドパック」(ファイザー)の「劣化版」である。そのため、パキロビッドパックへの効果が軽症者で見られなかったことを踏まえると、ゾコーバで同じ患者集団に効果が見られると推測するのには無理がある。  また、パキロビッドパックはリトナビルとの合剤であるため、基礎疾患があり、複数の薬剤を服用している人には使いにく...  9月2日、日本化学療法学会と日本感染症学会が、加藤勝信厚生労働相に対して、「新型コロナウイルス感染症における喫緊の課題と解決策に関する提言」を出した。そのなかで、「現在、薬事・食品衛生審議会で議論されている国産の新型コロナウイルス感染症治療薬を早期に緊急承認すること」を強く求めている。これは、実質的に、塩野義製薬が申請する「ゾコーバ」を念頭とした提言だ。  塩野義製薬のゾコーバは、同様の機序で効果を発現する「パキロビッドパック」(ファイザー)の「劣化版」である。そのため、パキロビッドパックへの効果が軽症者で見られなかったことを踏まえると、ゾコーバで同じ患者集団に効果が見られると推測するのには無理がある。  また、パキロビッドパックはリトナビルとの合剤であるため、基礎疾患があり、複数の薬剤を服用している人には使いにくい。

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