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論点

医療における新たな価値創造に向けて

地域医療で付加価値を共有する仕組みを⑤

大阪大学医学部附属病院未来医療センター招聘准教授  田倉智之

2009年2月1日号

 「共有地の悲劇(Tragedy of the commons)」という言葉をご存知だと思う。競合性がありアクセスが自由な「共有地」で、コストを十分に負担することなく誰でも自由に使える結果、公共財産が過剰に消費され疲弊してしまうという一種の社会的ジレンマである。 「価値の共有」がカギ  国民皆保険制度は公共財だと先に述べたが、我が国の医療システムの現状は、まさに共有地の悲劇の様を見せている。その背景として、負担者の権利意識により一人ひとりが少しでも多くの診療サービスを受けようとする行動など、医療システムに対する患者のフリーアクセスを問題視する意見もある。また、経営マインドの高い提供者による請求の拡大やその他の誘発需要も含め、出来高払いなどの支払制度に着目した議論もみられる。  さて、共有地の悲劇の解決には、自制や良心は役に立た...  「共有地の悲劇(Tragedy of the commons)」という言葉をご存知だと思う。競合性がありアクセスが自由な「共有地」で、コストを十分に負担することなく誰でも自由に使える結果、公共財産が過剰に消費され疲弊してしまうという一種の社会的ジレンマである。 「価値の共有」がカギ  国民皆保険制度は公共財だと先に述べたが、我が国の医療システムの現状は、まさに共有地の悲劇の様を見せている。その背景として、負担者の権利意識により一人ひとりが少しでも多くの診療サービスを受けようとする行動など、医療システムに対する患者のフリーアクセスを問題視する意見もある。また、経営マインドの高い提供者による請求の拡大やその他の誘発需要も含め、出来高払いなどの支払制度に着目した議論もみられる。  さて、共有地の悲劇の解決には、自制や良心は役に立たず

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