OUTLOOK 欧米のMR事情
米国のDTC広告に異変
デルファイ・マネジメント・コンサルタント(DMC)社 植田南人
2009年2月1日号
米国では、何年もDTC(消費者直接)広告が医薬品の強力なマーケティングツールとして繁用されてきたが、ここに来て少し異変が起こっている。広告会社のTNS社によると、08年、DTC広告への製薬会社の投資額が顕著に落ちてきているという。これは、新薬の承認数が少ないうえに、承認された適応症の範囲が非常に狭くなったことが原因だ。しかし、FDAなどのDTC広告批判も影響していると思われる。同社の調査では、08年の最初の8ヵ月間でDTC広告に投下された費用は、07年同期に比べ▲6・3%の33億ドル(約3300億円)になっていた。07年も06年に比べ▲3・1%と、2年連続でDTC広告投入額がダウンしたことになる。 DTC広告に関しては、米国の議員の間で「新薬は発売後一定期間、DTC広告をすべきでない」との考え方が強く、議論されているのも事実である。しか...
米国では、何年もDTC(消費者直接)広告が医薬品の強力なマーケティングツールとして繁用されてきたが、ここに来て少し異変が起こっている。広告会社のTNS社によると、08年、DTC広告への製薬会社の投資額が顕著に落ちてきているという。これは、新薬の承認数が少ないうえに、承認された適応症の範囲が非常に狭くなったことが原因だ。しかし、FDAなどのDTC広告批判も影響していると思われる。同社の調査では、08年の最初の8ヵ月間でDTC広告に投下された費用は、07年同期に比べ▲6・3%の33億ドル(約3300億円)になっていた。07年も06年に比べ▲3・1%と、2年連続でDTC広告投入額がダウンしたことになる。 DTC広告に関しては、米国の議員の間で「新薬は発売後一定期間、DTC広告をすべきでない」との考え方が強く、議論されているのも事実である。しかし、
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