海外時報
米国 低成長時代、先送りされる改革
新薬生産性の向上と薬剤費抑制の攻防
2009年2月1日号
「米国製薬業界に厳しい09年」と言っても、何も言っていないに等しい。08年、FDAが承認した新規成分数は24と過去4年で一番多かったが、胸を張るには遠く、10億ドル超えを期待できるのはグラクソ・スミスクラインのがん患者の補助療法薬「プロマクタ」くらい。安全性評価に慎重な姿勢にスタッフ不足も手伝って承認審査は遅れ、大型製品をジェネリックが食う大波が刻々と迫っている。保険料設定ミスなど失敗が目立った医療保険業界は、金融崩壊のなか、投資損が決定打となって一気に経営を悪化させている。契約維持に値引きも強いられた。製薬会社の価格圧力に跳ね返りそうだ。
オバマ新政権と多数派を広げた民主党主導の議会が、監視・規制を強めるのは確実だ。業界に厳しいワックスマンがFDAを管轄する下院エネルギー・商業委員長に就いた。FDA長官も、ブッシュ政権下...
「米国製薬業界に厳しい09年」と言っても、何も言っていないに等しい。08年、FDAが承認した新規成分数は24と過去4年で一番多かったが、胸を張るには遠く、10億ドル超えを期待できるのはグラクソ・スミスクラインのがん患者の補助療法薬「プロマクタ」くらい。安全性評価に慎重な姿勢にスタッフ不足も手伝って承認審査は遅れ、大型製品をジェネリックが食う大波が刻々と迫っている。保険料設定ミスなど失敗が目立った医療保険業界は、金融崩壊のなか、投資損が決定打となって一気に経営を悪化させている。契約維持に値引きも強いられた。製薬会社の価格圧力に跳ね返りそうだ。
オバマ新政権と多数派を広げた民主党主導の議会が、監視・規制を強めるのは確実だ。業界に厳しいワックスマンがFDAを管轄する下院エネルギー・商業委員長に就いた。FDA長官も、ブッシュ政権下の
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