「芦田カンパニー」として成長、20年間を振り返る

業界展望

第16回　ＪＣＲファーマ

クレディ･スイス証券株式会社株式調査部ディレクター　酒井文義

2022年10月1日号

　過去10年間停滞感が漂ったバイオテクノロジー業界のなかで、JCRファーマは存在感を高めた1社だろう。JCRは1975年に芦田信代表取締役会長兼社長が日本ケミカルリサーチ（現JCRファーマ）を設立し誕生した。76年に脳血栓や心筋梗塞などの治療に使われる血栓溶解剤「ウロキナーゼ」を人の尿から抽出する精製法を確立し、製薬企業としてスタートを切った。　85年にヒト成長ホルモン製剤の輸入承認を取得し、業界内で注目され始めた。93年には独自の遺伝子組み換え技術からヒト成長ホルモン「グロウジェクト」の製造承認を取得し、製造から販売、研究開発を有するバイオ企業として認識されるようになった。　さらに注目されたのは、国内初のバイオ後続品（BS）「エポエチンアルファ」（エリスロポエチン／ES製剤）の製造承認を10年に取得し、同5月に共同開発を行ったキッセイ薬品... 　過去10年間停滞感が漂ったバイオテクノロジー業界のなかで、JCRファーマは存在感を高めた1社だろう。JCRは1975年に芦田信代表取締役会長兼社長が日本ケミカルリサーチ（現JCRファーマ）を設立し誕生した。76年に脳血栓や心筋梗塞などの治療に使われる血栓溶解剤「ウロキナーゼ」を人の尿から抽出する精製法を確立し、製薬企業としてスタートを切った。　85年にヒト成長ホルモン製剤の輸入承認を取得し、業界内で注目され始めた。93年には独自の遺伝子組み換え技術からヒト成長ホルモン「グロウジェクト」の製造承認を取得し、製造から販売、研究開発を有するバイオ企業として認識されるようになった。　さらに注目されたのは、国内初のバイオ後続品（BS）「エポエチンアルファ」（エリスロポエチン／ES製剤）の製造承認を10年に取得し、同5月に共同開発を行ったキッセイ薬品か

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