医工連携
体温で制御できる液晶ナノ粒子
医工連携の実践者76 宮田隆志 関西大学教授
2022年10月1日号
疎水性の薬剤と両親媒性(疎水性の末端基と親水性の末端基を持つ)の高分子とを水中で混ぜ合わせると、高分子が親水基を外側に疎水基を中心に向けた球体へと自ら集合、内部に疎水性薬剤を閉じ込めたナノ粒子となる。
pHや温度など特定の条件に遭遇した場合には球体がバラけるよう高分子の性質を調整すれば、特定の条件で薬剤が放出されることになり、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)に用いることができる。本コーナーでも何度か紹介してきた。ただし、こうしたナノ粒子は一気に壊れるので、もし周囲の環境が粒子分解の条件を満たさなくなったとしても、元の球体へとは戻らず、閉じ込めた薬剤は全部一気に出てきてしまう。
一方、ハイドロゲルの中に薬剤を閉じ込めたなら、周囲の環境に応じて膨らんだり縮んだりするよう設計して薬剤の放出を途中で止...
疎水性の薬剤と両親媒性(疎水性の末端基と親水性の末端基を持つ)の高分子とを水中で混ぜ合わせると、高分子が親水基を外側に疎水基を中心に向けた球体へと自ら集合、内部に疎水性薬剤を閉じ込めたナノ粒子となる。
pHや温度など特定の条件に遭遇した場合には球体がバラけるよう高分子の性質を調整すれば、特定の条件で薬剤が放出されることになり、ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)に用いることができる。本コーナーでも何度か紹介してきた。ただし、こうしたナノ粒子は一気に壊れるので、もし周囲の環境が粒子分解の条件を満たさなくなったとしても、元の球体へとは戻らず、閉じ込めた薬剤は全部一気に出てきてしまう。
一方、ハイドロゲルの中に薬剤を閉じ込めたなら、周囲の環境に応じて膨らんだり縮んだりするよう設計して薬剤の放出を途中で止めた
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