医薬経済オンライン

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上昌広の日本医療の診立て

アンジェスのワクチン開発中止は日本の宿痾

第25回 政府が「日の丸企業」として支援、常識的には不可能だった

2022年10月1日号

 9月7日、アンジェスは新型コロナウイルスに対するDNAワクチンなどの2件の開発を中止すると発表した。筋肉注射、皮内注射ともに主要評価項目である接種12週間後の中和活性、抗体価が基準とする値を満たさなかったためだ。20年4月、国内企業で最も早く始まったワクチン開発が頓挫したことになる。  私は、アンジェスの開発中止は、日本の宿痾を象徴していると考えている。日本のワクチン開発は、製薬業界・医師・研究者が政府の護送船団方式で守られ、競争力を失って久しい。「国産ワクチン開発」など分不相応な目的を掲げ、そこに巨額の血税が投じられても、誰もそのおかしさを批判しない。こんなことではいけない。  なぜ、国産ワクチン開発が頓挫したのか、今こそ、徹底的に総括すべきだ。本稿で、私の分析をご紹介しよう。  9月7日、アンジェスは新型コロナウイルスに対するDNAワクチンなどの2件の開発を中止すると発表した。筋肉注射、皮内注射ともに主要評価項目である接種12週間後の中和活性、抗体価が基準とする値を満たさなかったためだ。20年4月、国内企業で最も早く始まったワクチン開発が頓挫したことになる。  私は、アンジェスの開発中止は、日本の宿痾を象徴していると考えている。日本のワクチン開発は、製薬業界・医師・研究者が政府の護送船団方式で守られ、競争力を失って久しい。「国産ワクチン開発」など分不相応な目的を掲げ、そこに巨額の血税が投じられても、誰もそのおかしさを批判しない。こんなことではいけない。  なぜ、国産ワクチン開発が頓挫したのか、今こそ、徹底的に総括すべきだ。本稿で、私の分析をご紹介しよう。

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