医薬経済オンライン

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薬のおカネを議論しよう

日米の承認制度の違いがもたらす医薬品評価の齟齬

第74回

医療ガバナンス研究所医師  谷本哲也

2022年10月1日号

 医薬品の承認可否は二者択一の判断だが、実際はグレーゾーンを内包している。入学試験で百点満点の合格者もいれば、合格点ギリギリで合格者と不合格者の運命が分かれるのと同じようなものだ。結果だけみれば合格は合格でも実力的には差があり、医薬品の承認でも同じようなことが起こる。  入学試験では、実は学力的に合格点には足りないものの、有望そうだから推薦で点数の下駄を履かせて合格にするという場合もあるだろう。医薬品規制にもこれと同じような制度があり、それが米国の迅速承認制度だ。  この制度は重篤で生命を脅かす疾患の治療薬を対象に米国食品医薬品局(FDA)により92年に創設された。臨床的な有用性が合理的に予測されると見做し得る代替エンドポイントや、不可逆的な疾病や死亡以外の中間的な臨床エンドポイントに基づき、迅速に新規医薬品を承認し、患...  医薬品の承認可否は二者択一の判断だが、実際はグレーゾーンを内包している。入学試験で百点満点の合格者もいれば、合格点ギリギリで合格者と不合格者の運命が分かれるのと同じようなものだ。結果だけみれば合格は合格でも実力的には差があり、医薬品の承認でも同じようなことが起こる。  入学試験では、実は学力的に合格点には足りないものの、有望そうだから推薦で点数の下駄を履かせて合格にするという場合もあるだろう。医薬品規制にもこれと同じような制度があり、それが米国の迅速承認制度だ。  この制度は重篤で生命を脅かす疾患の治療薬を対象に米国食品医薬品局(FDA)により92年に創設された。臨床的な有用性が合理的に予測されると見做し得る代替エンドポイントや、不可逆的な疾病や死亡以外の中間的な臨床エンドポイントに基づき、迅速に新規医薬品を承認し、患者

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