医薬経済オンライン

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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

告知を是とする「状態」を解く

第203回

2022年10月15日号

がんと噓と秘密 小森康永 岸本寛史 遠見書房 2022年7月刊  少し珍しい(私にとってはだが)読書。翻訳小説か洋画のようなファンタスティックなタイトルの印象もそうだが、2つの乳房が置かれたトレーを持つ女性の装丁画もとても印象的だ。サブタイトルの『ゲノム医療時代のケア』に目が行かないと、この本の内容の察しがつきにくい。さらに、著者として2人の名が記されているが、最初から読み進めると著者は1人だと自然に思い込まされる。共著だと思いながら読み進めても、気配をまったく感じないのだ。  戸惑いの因を先に述べておく。コラボレイティブ・ライティング。著者自身がこうしたスタイルの本に「馴染みの読者は少ないのではなかろうか」と述べている。『家族療法研究』という専門誌にK・60(小森氏)が書いた「DNA時代のがん医療を航海する」を種にして、「出... がんと噓と秘密 小森康永 岸本寛史 遠見書房 2022年7月刊  少し珍しい(私にとってはだが)読書。翻訳小説か洋画のようなファンタスティックなタイトルの印象もそうだが、2つの乳房が置かれたトレーを持つ女性の装丁画もとても印象的だ。サブタイトルの『ゲノム医療時代のケア』に目が行かないと、この本の内容の察しがつきにくい。さらに、著者として2人の名が記されているが、最初から読み進めると著者は1人だと自然に思い込まされる。共著だと思いながら読み進めても、気配をまったく感じないのだ。  戸惑いの因を先に述べておく。コラボレイティブ・ライティング。著者自身がこうしたスタイルの本に「馴染みの読者は少ないのではなかろうか」と述べている。『家族療法研究』という専門誌にK・60(小森氏)が書いた「DNA時代のがん医療を航海する」を種にして、「出来

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