医薬経済オンライン

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現場の医師が考える 医薬品マーケティング論

医療施設動態調査から垣間見える不安

第8回

臨床医 建見 霞嗣

2022年10月15日号

 厚生労働省は22年8月31日、同年6月の医療施設動態調査の概数報告を公表しました。データとしては、今までとそんなに大きな変化はなく、私たち医療業界に携わる者としては、ごく普通のデータです。ただ、一般の人たちという視点でこのデータを見てみたいと思います。  まず、病床数149万床に目がいきます。単純に言えば、人口の80人に1人が入院中ということになります。ここにさらに介護施設の定員数90万人程度が加わりますので、実は国民の50人に1人は労働ができない状態ということとなります。  そのようななかで、この人たちをケアするために、医療従事者や介護従事者、家族の負担などを単純に人手として換算すると、かなり少なく見積もっても、さらに1人分は必要となるでしょう。つまり、25人に1人は生産的活動に従事できないということになります。もし2人が必要と試算...  厚生労働省は22年8月31日、同年6月の医療施設動態調査の概数報告を公表しました。データとしては、今までとそんなに大きな変化はなく、私たち医療業界に携わる者としては、ごく普通のデータです。ただ、一般の人たちという視点でこのデータを見てみたいと思います。  まず、病床数149万床に目がいきます。単純に言えば、人口の80人に1人が入院中ということになります。ここにさらに介護施設の定員数90万人程度が加わりますので、実は国民の50人に1人は労働ができない状態ということとなります。  そのようななかで、この人たちをケアするために、医療従事者や介護従事者、家族の負担などを単純に人手として換算すると、かなり少なく見積もっても、さらに1人分は必要となるでしょう。つまり、25人に1人は生産的活動に従事できないということになります。もし2人が必要と試算する

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