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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

SGLT2阻害薬2(NNT:855人、薬剤費:7万3000円弱)

第7回

黒澤 恵

2022年10月15日号

 世界的なインフレが続くなか、医療消費者の「生活防衛」が始まった。高騰する生活費をやりくりすべく、英国では国民が処方薬への支出を節約し始めたのだ。9月30日に英国医学雑誌(BMJ)が伝えた(①)。日本でも同じような事態が生じないとは限らない。とはいえ必要な処方薬は残したい。そこで考えたいのが薬の「費用対効果」である。  どれほど優れた治療でも、全員が恩恵に預かれるわけではない。5人が受ければ1人で効果が出る治療もあれば、100人に試して1人がよくなる治療もある。このような治療効率の目安となるのが「NNT」(必要治療者数)、つまり何人治療すれば成果が得られるかという数字だ。右の例でいえば、最初の治療は「NNT=5」、後者は「NNT=100」となる。どちらの治療効率がいいかは言うまでもない。この「NNT」と「薬剤費」から治療の費用対効果(コスパ)を評価する、...  世界的なインフレが続くなか、医療消費者の「生活防衛」が始まった。高騰する生活費をやりくりすべく、英国では国民が処方薬への支出を節約し始めたのだ。9月30日に英国医学雑誌(BMJ)が伝えた(①)。日本でも同じような事態が生じないとは限らない。とはいえ必要な処方薬は残したい。そこで考えたいのが薬の「費用対効果」である。  どれほど優れた治療でも、全員が恩恵に預かれるわけではない。5人が受ければ1人で効果が出る治療もあれば、100人に試して1人がよくなる治療もある。このような治療効率の目安となるのが「NNT」(必要治療者数)、つまり何人治療すれば成果が得られるかという数字だ。右の例でいえば、最初の治療は「NNT=5」、後者は「NNT=100」となる。どちらの治療効率がいいかは言うまでもない。この「NNT」と「薬剤費」から治療の費用対効果(コスパ)を評価する、それ

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