薬のおカネを議論しよう
乾癬ガイドラインに関する製薬マネーの日米比較
第75回
医療ガバナンス研究所医師 尾崎章彦
2022年10月15日号
製薬マネー研究で現在国際的に関心が高まっているのが多国間比較である。実際、筆者らも、さまざまな国際研究を推進している。本稿では、そのうち、22年10月4日に米国リウマチ学会のジャーナル『Arthritis Care & Research』に発表した論文を紹介する。この論文は、日米(日本皮膚科学会、ア米国リウマチ学会)の乾癬性関節炎診療ガイドライン(日本19年度版、米国18年度版)著者の利益相反やエビデンスレベル、推奨度などを比較したものだ。
乾癬を選択したのは、数ある疾患のなかでも、とくに製薬企業の競争が熾烈であり、「多額の製薬マネーが流れ込んでいる」(製薬企業関係者)からだ。そのひとつの理由は、乾癬の主要な治療薬である生物学的製剤が高額であることだ。例えば、19年に乾癬性関節炎に対して適応を獲得したアッヴィの「スキリージ」などは、1ヵ月の薬価が約15万800...
製薬マネー研究で現在国際的に関心が高まっているのが多国間比較である。実際、筆者らも、さまざまな国際研究を推進している。本稿では、そのうち、22年10月4日に米国リウマチ学会のジャーナル『Arthritis Care & Research』に発表した論文を紹介する。この論文は、日米(日本皮膚科学会、ア米国リウマチ学会)の乾癬性関節炎診療ガイドライン(日本19年度版、米国18年度版)著者の利益相反やエビデンスレベル、推奨度などを比較したものだ。
乾癬を選択したのは、数ある疾患のなかでも、とくに製薬企業の競争が熾烈であり、「多額の製薬マネーが流れ込んでいる」(製薬企業関係者)からだ。そのひとつの理由は、乾癬の主要な治療薬である生物学的製剤が高額であることだ。例えば、19年に乾癬性関節炎に対して適応を獲得したアッヴィの「スキリージ」などは、1ヵ月の薬価が約15万8000円
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録