医薬経済オンライン

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間違いだらけのHTA

「効率性フロンティア」をめぐる幻想

第88回

横浜市立大学医学群健康社会医学ユニット東京大学大学院薬学系研究科医薬政策学 五十嵐中

2022年11月1日号

 日本で費用対効果評価制度の導入が議論されていた14〜15年頃、「costとQALY(質調整生存年)を算出し、ICER(増分費用効果比)で評価する英国NICE」への対立軸として、「効率性フロンティアを描画して、QALYを使わずに評価するドイツIQWIG」がよく引き合いに出た。IQWIGは、ドイツのHTA機関だ。  費用対効果評価の導入に反対するステークホルダーに、「敵の敵は味方」の発想で「社会保険制度の日本では、(税方式の英国の仕組みではなく)ドイツの手法がより適している」と、とくに中身の吟味なしに支持されていた部分もある。  本連載で過去に、IQWIGと効率性フロンティアの実態として、 ①この領域で用いられる効率性フロンティアは、ICERの閾値の決め方の一手法であり、cost/QALYと対立する概念ではない(効率性フロンティアの効果の軸としてQALYも使用できる)こと...  日本で費用対効果評価制度の導入が議論されていた14〜15年頃、「costとQALY(質調整生存年)を算出し、ICER(増分費用効果比)で評価する英国NICE」への対立軸として、「効率性フロンティアを描画して、QALYを使わずに評価するドイツIQWIG」がよく引き合いに出た。IQWIGは、ドイツのHTA機関だ。  費用対効果評価の導入に反対するステークホルダーに、「敵の敵は味方」の発想で「社会保険制度の日本では、(税方式の英国の仕組みではなく)ドイツの手法がより適している」と、とくに中身の吟味なしに支持されていた部分もある。  本連載で過去に、IQWIGと効率性フロンティアの実態として、 ①この領域で用いられる効率性フロンティアは、ICERの閾値の決め方の一手法であり、cost/QALYと対立する概念ではない(効率性フロンティアの効果の軸としてQALYも使用できる)こと

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