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眺望 医薬街道

薬価基準の存在意義とは何か

近藤正觀

2022年11月1日号

 10月12日に「医薬品の迅速・安定供給に向けた総合対策に関する有識者検討会」の第3回会合が開催された。厚生労働省は「薬価差」の概念整理を行い、薬価差を「市場原理下の取引から当然に生ずるもの」と「薬価差を得ることを目的とした値下げ交渉という市場流通の歪みから生ずる」ものの2つに分類した。乖離率指数では新薬創出加算品を100とすると、特許品・その他は「146」、長期収載品「232」、後発品「308」となり、後発品の乖離率は新薬の約3倍だった。  検討会では、公的保険制度の下で薬価差が生じることは必然だとしている。薬価基準制度の妥当性については何の検討も加えず、生じた薬価差の扱いについて枝葉末節の検討が進む。国民皆保険制度の成立以来、公的保険の中の薬価差益は未来永劫の課題と化した。薬価基準は国が決めた公的な償還価格である。薬剤の取引は当事者間の自由...  10月12日に「医薬品の迅速・安定供給に向けた総合対策に関する有識者検討会」の第3回会合が開催された。厚生労働省は「薬価差」の概念整理を行い、薬価差を「市場原理下の取引から当然に生ずるもの」と「薬価差を得ることを目的とした値下げ交渉という市場流通の歪みから生ずる」ものの2つに分類した。乖離率指数では新薬創出加算品を100とすると、特許品・その他は「146」、長期収載品「232」、後発品「308」となり、後発品の乖離率は新薬の約3倍だった。  検討会では、公的保険制度の下で薬価差が生じることは必然だとしている。薬価基準制度の妥当性については何の検討も加えず、生じた薬価差の扱いについて枝葉末節の検討が進む。国民皆保険制度の成立以来、公的保険の中の薬価差益は未来永劫の課題と化した。薬価基準は国が決めた公的な償還価格である。薬剤の取引は当事者間の自由価格

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