医薬経済オンライン

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「中外礼賛」の影に忍び寄る組織の慢心

「業界の盟主」に押し上げる好調経営

2022年11月15日号

 古くより、危機は常に好調の内に芽生え、多くの投資家が褒め称えた時にはすでに頭をもたげている、と言われる。この警句が今、最も当て嵌る国内医薬品メーカーと言えば、やはり中外製薬をおいてほかにはないだろう。22年12月期決算は、売上高が同社初の1兆円超えとなる1兆1500億円を予想、コア営業利益は4400億円に膨らむとしており、無事に達成すれば6期連続の増収増益となる。薬価が毎年引き下げられる環境下にもかかわらず、中外だけは別の世界線に立脚しているかのようである。  だがそれは、空想が入り込む余地のないリアルな姿だ。同社は、日本政府への納入という神風が吹いた新型コロナ治療薬「ロナプリーブ」を除いても、瀰漫性大細胞型B細胞リンパ腫治療薬「ポライビー」、視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬「エンスプリング」、脊髄性筋萎縮症治療薬「エブリスディ」といった...  古くより、危機は常に好調の内に芽生え、多くの投資家が褒め称えた時にはすでに頭をもたげている、と言われる。この警句が今、最も当て嵌る国内医薬品メーカーと言えば、やはり中外製薬をおいてほかにはないだろう。22年12月期決算は、売上高が同社初の1兆円超えとなる1兆1500億円を予想、コア営業利益は4400億円に膨らむとしており、無事に達成すれば6期連続の増収増益となる。薬価が毎年引き下げられる環境下にもかかわらず、中外だけは別の世界線に立脚しているかのようである。  だがそれは、空想が入り込む余地のないリアルな姿だ。同社は、日本政府への納入という神風が吹いた新型コロナ治療薬「ロナプリーブ」を除いても、瀰漫性大細胞型B細胞リンパ腫治療薬「ポライビー」、視神経脊髄炎スペクトラム障害治療薬「エンスプリング」、脊髄性筋萎縮症治療薬「エブリスディ」といった新

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