医工連携
がん幹細胞をたたく化合物発見
医工連携の実践者79 掛谷秀昭 京都大学教授
2022年11月15日号
固形がんが、抗がん剤投与や放射線照射で多くの場合に根治しないのは、それらの療法に抵抗性を持つ未分化の「がん幹細胞」が腫瘍の中に混じっていて生き残り、やがて分化・増殖を再開するからと考えられるようになってきた。
よって、この「がん幹細胞」を標的とする治療法が確立されれば、固形がんの再発や転移のリスクは大きく減ると期待される。とは言うものの、がん幹細胞は腫瘍内での存在比率が低く、分離・濃縮する汎用法もないため、研究対象にすること自体が難しい。
現状では、がん細胞株を幹細胞的性質が強くなるよう培養、そこから選抜する手法が主流となっている。09年には、遺伝子操作で幹細胞の性質を強くさせ、得られた細胞のスクリーニング系から、抗がん幹細胞薬の候補としてサリノマイシンという抗生物質が発見されている。エーザイなどが熱心に研究し...
固形がんが、抗がん剤投与や放射線照射で多くの場合に根治しないのは、それらの療法に抵抗性を持つ未分化の「がん幹細胞」が腫瘍の中に混じっていて生き残り、やがて分化・増殖を再開するからと考えられるようになってきた。
よって、この「がん幹細胞」を標的とする治療法が確立されれば、固形がんの再発や転移のリスクは大きく減ると期待される。とは言うものの、がん幹細胞は腫瘍内での存在比率が低く、分離・濃縮する汎用法もないため、研究対象にすること自体が難しい。
現状では、がん細胞株を幹細胞的性質が強くなるよう培養、そこから選抜する手法が主流となっている。09年には、遺伝子操作で幹細胞の性質を強くさせ、得られた細胞のスクリーニング系から、抗がん幹細胞薬の候補としてサリノマイシンという抗生物質が発見されている。エーザイなどが熱心に研究してい
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