医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

コロナ禍で加速する「死の合理化」

2年間で安楽死合法国が倍増した背景

神戸市議会議員・元国会議員政策担当秘書 岡田裕二

2022年11月15日号

スイスで開発された自殺カプセル「サルコ」  「1人の死は悲劇だが、集団の死は統計上の数字に過ぎない」  これは大戦期にナチスドイツの高官としてユダヤ人虐殺の前線指揮を執ったアドルフ・アイヒマンが、戦後公判で語った言葉とされる。新型コロナウイルスが世界で猛威を振るい始めて3年経つが、その間の累積死者数は世界でおよそ650万人(11月1日現在)。平均すると毎日5000~6000人がコロナ禍で命を落とすなか、我われ人類は次第に人の死を、悲劇ではなく統計上の数字と捉え始めていないか。  私たちは日々の満員電車が人身事故で運行停止になるたびに、犠牲者を想い、心を痛めたりはしない。「急いでいるのに迷惑なことだ」と苛立つことすらある。もともと孤立社会で隣家の住民が誰かもわからない現代社会に、コロナ禍の大量死が覆いかぶさった。そ... スイスで開発された自殺カプセル「サルコ」  「1人の死は悲劇だが、集団の死は統計上の数字に過ぎない」  これは大戦期にナチスドイツの高官としてユダヤ人虐殺の前線指揮を執ったアドルフ・アイヒマンが、戦後公判で語った言葉とされる。新型コロナウイルスが世界で猛威を振るい始めて3年経つが、その間の累積死者数は世界でおよそ650万人(11月1日現在)。平均すると毎日5000~6000人がコロナ禍で命を落とすなか、我われ人類は次第に人の死を、悲劇ではなく統計上の数字と捉え始めていないか。  私たちは日々の満員電車が人身事故で運行停止になるたびに、犠牲者を想い、心を痛めたりはしない。「急いでいるのに迷惑なことだ」と苛立つことすらある。もともと孤立社会で隣家の住民が誰かもわからない現代社会に、コロナ禍の大量死が覆いかぶさった。そん

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence