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医政羅針盤

インフレ下での診療報酬・薬価改定

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2022年11月15日号

 世界的にインフレが加速しており、長らくデフレ局面にあった日本でも、物価は上昇基調に転じている。消費者物価指数総合は今年4月以降、前年比で2%台半ばから3%の伸びを示しており、企業物価指数に至っては、前年比で8%以上の伸びが1年近くも続いている。  その原因には、ウクライナ戦争などを背景とした資源・エネルギー価格の高騰や、一時32年振りの水準を記録するほどの急激な円安の進行、欧米などを中心にコロナ禍で停滞していた需要の急回復などが挙げられており、そこに各国の財政金融政策の影響も作用している。今後の物価動向は、これらの状況次第ではあるものの、暫くはトレンドとしてインフレ傾向が続くとの見方が支配的だ。  インフレの経済的・社会的影響に関心が高まっているが、インフレは医療業界にも大きな困難をもたらし得る。というのも、医療費の大部...  世界的にインフレが加速しており、長らくデフレ局面にあった日本でも、物価は上昇基調に転じている。消費者物価指数総合は今年4月以降、前年比で2%台半ばから3%の伸びを示しており、企業物価指数に至っては、前年比で8%以上の伸びが1年近くも続いている。  その原因には、ウクライナ戦争などを背景とした資源・エネルギー価格の高騰や、一時32年振りの水準を記録するほどの急激な円安の進行、欧米などを中心にコロナ禍で停滞していた需要の急回復などが挙げられており、そこに各国の財政金融政策の影響も作用している。今後の物価動向は、これらの状況次第ではあるものの、暫くはトレンドとしてインフレ傾向が続くとの見方が支配的だ。  インフレの経済的・社会的影響に関心が高まっているが、インフレは医療業界にも大きな困難をもたらし得る。というのも、医療費の大部分

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