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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

GLP-1受容体作動薬(2)NNT:1000、薬剤費:16万円強

第9回

黒澤 恵

2022年11月15日号

 米国医師会雑誌ネットワーク・オープン誌サイトに10月3日、興味深い論文が公表された(①)。米国のがん患者における処方箋の実行率を調べた結果だ。13%の処方箋は調剤されておらず、患者の13%はその理由として「経済的要因」を挙げていた。  前回は、心臓血管系疾患のない2型糖尿病患者におけるGLP-1受容体作動薬のコスパを、大規模試験“REWIND”をもとに検討した。GLP-1受容体作動薬が「心血管系/原因不明の死亡・心筋梗塞・脳卒中」のいずれかを、偽薬に比べて抑制できたのは84人に1人で、財布から出ていく薬剤費は、3割負担としておよそ85万円にも上るという結果だった。  しかしこの試験に参加した2型糖尿病患者は日本人患者に比べ、心臓血管系疾患の発生率がきわめて高い(前回参照)。そこで今回は、対象が日本人2型糖尿病患者により近いと思われる臨床試験から、コ...  米国医師会雑誌ネットワーク・オープン誌サイトに10月3日、興味深い論文が公表された(①)。米国のがん患者における処方箋の実行率を調べた結果だ。13%の処方箋は調剤されておらず、患者の13%はその理由として「経済的要因」を挙げていた。  前回は、心臓血管系疾患のない2型糖尿病患者におけるGLP-1受容体作動薬のコスパを、大規模試験“REWIND”をもとに検討した。GLP-1受容体作動薬が「心血管系/原因不明の死亡・心筋梗塞・脳卒中」のいずれかを、偽薬に比べて抑制できたのは84人に1人で、財布から出ていく薬剤費は、3割負担としておよそ85万円にも上るという結果だった。  しかしこの試験に参加した2型糖尿病患者は日本人患者に比べ、心臓血管系疾患の発生率がきわめて高い(前回参照)。そこで今回は、対象が日本人2型糖尿病患者により近いと思われる臨床試験から、コス

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