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医政羅針盤

一面的な議論が目立つ財政審

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2022年12月1日号

 11月7日に開催された財政制度等審議会の財政制度分科会では、社会保障に関する議論が行われた。財政審では、今後、23年度予算編成に向けた建議が取りまとめられるが、例年、この時点で財務省が提出した資料の内容をほぼ踏襲することになる。そこで、今回は財政審の資料に沿って、財務省の主張を論評したい。  とはいえ、そこに書かれているのはあくまで予算査定官庁としての意見であって、その内容がそのまま実現するわけではない。過去の経緯を振り返れば、むしろ実現していないことのほうが多い。こうした事実も踏まえ、資料は冷静に読み解く必要がある。  第1に、今回の財務省の主張の大きな特徴は、「ウィズコロナ」への移行を前提として、医療提供体制に対する支援や、ワクチン接種費用の支援を見直すように求めていることである。多くの新聞やテレビなど...  11月7日に開催された財政制度等審議会の財政制度分科会では、社会保障に関する議論が行われた。財政審では、今後、23年度予算編成に向けた建議が取りまとめられるが、例年、この時点で財務省が提出した資料の内容をほぼ踏襲することになる。そこで、今回は財政審の資料に沿って、財務省の主張を論評したい。  とはいえ、そこに書かれているのはあくまで予算査定官庁としての意見であって、その内容がそのまま実現するわけではない。過去の経緯を振り返れば、むしろ実現していないことのほうが多い。こうした事実も踏まえ、資料は冷静に読み解く必要がある。  第1に、今回の財務省の主張の大きな特徴は、「ウィズコロナ」への移行を前提として、医療提供体制に対する支援や、ワクチン接種費用の支援を見直すように求めていることである。多くの新聞やテレビなどで

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