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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

CKDへの選択的MR拮抗薬NNT?/NNH?、薬剤費:9万円弱

第11回

黒澤 恵

2022年12月15日号

 前回(12月1日号)は、22年6月に「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(CKD)」への使用が承認された「非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬」(アルドステロン拮抗薬)の腎保護作用に関する費用対効果(コスパ)を検討した。  その結果、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の患者が2.6年間、9万円弱の薬剤費と引き換えにMR拮抗薬を飲み続けると、「31人に1人」が「腎疾患の重度増悪」(腎不全・40%以上の腎機能低下・腎疾患による死亡)を回避できるものの、「腎不全」に限ると回避できるのは「100人に1人」であり(残り99人はこの薬を飲んでも飲まなくても腎不全のリスクは同じ)、さらに日本人に限れば、治療効率はさらに低下する可能性がある──ことが明らかになった。  ただし、前述した数字の根拠となったランダム化試験(FIDELIO―DKD)における、血糖...  前回(12月1日号)は、22年6月に「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(CKD)」への使用が承認された「非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬」(アルドステロン拮抗薬)の腎保護作用に関する費用対効果(コスパ)を検討した。  その結果、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病の患者が2.6年間、9万円弱の薬剤費と引き換えにMR拮抗薬を飲み続けると、「31人に1人」が「腎疾患の重度増悪」(腎不全・40%以上の腎機能低下・腎疾患による死亡)を回避できるものの、「腎不全」に限ると回避できるのは「100人に1人」であり(残り99人はこの薬を飲んでも飲まなくても腎不全のリスクは同じ)、さらに日本人に限れば、治療効率はさらに低下する可能性がある──ことが明らかになった。  ただし、前述した数字の根拠となったランダム化試験(FIDELIO―DKD)における、血糖低

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