林檎の南限、蜜柑の北限―石岡市に見る地域医療問題―
関係者の納得を得ることこそ政策実現の要諦
第14回
フリーライター・早川幸子
2022年12月15日号
「もはや体力、気力ともに限界に達し、道半ばではございますが、このたび辞職届を提出することになりました」
20年3月18日、茨城県の石岡市議会は、第1回定例会の幕を閉じた。20年度予算に関する採決がすべて終わり、最後に本会議場の演壇に立った今泉文彦は、市長の職を辞することを表明した。持病のパーキンソン病が進行し、これ以上の執務に耐えられないと判断してのことだった。
この定例会の議案には、今泉が専心してきた「石岡地域医療計画」に関する予算案が提出されていた。それは、計画の要に据えられた公立病院設立を実現するための重要な予算案で、23年1月の開院に間に合わせるには、何としても、この本会議で予算を通す必要があった。しかし、3月11日の予算特別委員会の総括質疑で修正の動議が出され、事実上、公立病院の設立は否決されていた。この予算委員会...
「もはや体力、気力ともに限界に達し、道半ばではございますが、このたび辞職届を提出することになりました」
20年3月18日、茨城県の石岡市議会は、第1回定例会の幕を閉じた。20年度予算に関する採決がすべて終わり、最後に本会議場の演壇に立った今泉文彦は、市長の職を辞することを表明した。持病のパーキンソン病が進行し、これ以上の執務に耐えられないと判断してのことだった。
この定例会の議案には、今泉が専心してきた「石岡地域医療計画」に関する予算案が提出されていた。それは、計画の要に据えられた公立病院設立を実現するための重要な予算案で、23年1月の開院に間に合わせるには、何としても、この本会議で予算を通す必要があった。しかし、3月11日の予算特別委員会の総括質疑で修正の動議が出され、事実上、公立病院の設立は否決されていた。この予算委員会の決
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