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臨床研究と患者の人権

第4シリーズ⑤ 補助人工心臓治験訴訟

ジャーナリスト 出河雅彦

2023年1月1日号

 東京女子医大病院で補助人工心臓エバハートの治験の被験者となって植え込み手術を受け、2008年10月に死亡した女性(以下、T子さんと言う)の遺族が同大を相手取り、損害賠償の支払いを求めた訴訟で、原告側は提訴から約2年後の2013年5月、臨床試験に詳しい専門家2人の意見書を東京地裁に提出した。東京学芸大学教育学部の佐藤雄一郎准教授(専門は医事法学)と昭和大学研究推進室長の内田英二教授(専門は臨床薬理・医療安全・危機管理)である(肩書はいずれも当時)。  佐藤氏は厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品第一部会の臨時委員や先進医療技術審査部会の構成員、医薬基盤研究所の基礎的研究評価委員会委員や臨床研究評価会議委員などを務め、内田氏は数多くの医薬品の治験に関わり、プロトコールの作成や安全性情報の評価、症例検討、総括報告書の作...  東京女子医大病院で補助人工心臓エバハートの治験の被験者となって植え込み手術を受け、2008年10月に死亡した女性(以下、T子さんと言う)の遺族が同大を相手取り、損害賠償の支払いを求めた訴訟で、原告側は提訴から約2年後の2013年5月、臨床試験に詳しい専門家2人の意見書を東京地裁に提出した。東京学芸大学教育学部の佐藤雄一郎准教授(専門は医事法学)と昭和大学研究推進室長の内田英二教授(専門は臨床薬理・医療安全・危機管理)である(肩書はいずれも当時)。  佐藤氏は厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品第一部会の臨時委員や先進医療技術審査部会の構成員、医薬基盤研究所の基礎的研究評価委員会委員や臨床研究評価会議委員などを務め、内田氏は数多くの医薬品の治験に関わり、プロトコールの作成や安全性情報の評価、症例検討、総括報告書の作成を

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