医薬経済オンライン

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鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

医薬行政の信頼を損なう ゾコーバ緊急承認と大量購入

第173回

2023年1月1日号

 医薬業界を見渡して、22年はどんな年だっただろう。新型コロナウイルス禍になって3年目。その理不尽な有り様を追ってきた筆者から見ると、これまで培おうとしてきた医薬品の安全性と有効性を厳しくチェックする仕組みや、費用対効果を吟味する制度が、ガラガラと音を立てて崩れていくのを見るような1年だった。  その典型的な事例のひとつが、22年11月22日に緊急承認が決まった新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」(塩野義製薬)だ。ゾコーバは22年7月に一度、緊急承認制度を使って審査が行われていた。しかし、「胎児に悪影響が出る恐れがある」「オミクロン株に本当に効果があるのか」といった意見が相次ぎ、結局、「有効性が推定されるという判断はできない」などとして、継続審議になっていた。  ところが、塩野義が治験の結果を新たに提出。発熱などの症状を改...  医薬業界を見渡して、22年はどんな年だっただろう。新型コロナウイルス禍になって3年目。その理不尽な有り様を追ってきた筆者から見ると、これまで培おうとしてきた医薬品の安全性と有効性を厳しくチェックする仕組みや、費用対効果を吟味する制度が、ガラガラと音を立てて崩れていくのを見るような1年だった。  その典型的な事例のひとつが、22年11月22日に緊急承認が決まった新型コロナウイルス感染症治療薬「ゾコーバ」(塩野義製薬)だ。ゾコーバは22年7月に一度、緊急承認制度を使って審査が行われていた。しかし、「胎児に悪影響が出る恐れがある」「オミクロン株に本当に効果があるのか」といった意見が相次ぎ、結局、「有効性が推定されるという判断はできない」などとして、継続審議になっていた。  ところが、塩野義が治験の結果を新たに提出。発熱などの症状を改善

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