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医工連携

嗅覚に糖尿病対策の潜在力発見

医工連携の実践者82 恒枝宏史 富山大学教授

2023年1月1日号

 厚生労働省の19(令和元)年「国民健康・栄養調査」によれば、日本で「糖尿病が強く疑われる者」は男性の5人に1人、女性の10人に1人であり、その治療に要している国民医療費が年間約1兆2000億円(20年度「国民医療費の概況」より)に上る国家的課題だ。  糖尿病患者の9割以上を占めるのが2型であり、その病態は、血糖値を下げるインスリンの働きが足りない、と平たく表現することができる。以前は、代謝に関与する膵臓・肝臓・脂肪・骨格筋などの末梢組織に原因がもっぱら存在すると考えられ、薬の標的もそれらだった。だが、21世紀に入った頃から、脳を代表とする中枢神経系による制御の重要性が注目されるようになってきた。  16年には、糖尿病マウスの脳にFGF1を1回投与することによって長期間、末梢での耐糖能改善を果たしたと米ワシントン大学のグループが『Nature Med...  厚生労働省の19(令和元)年「国民健康・栄養調査」によれば、日本で「糖尿病が強く疑われる者」は男性の5人に1人、女性の10人に1人であり、その治療に要している国民医療費が年間約1兆2000億円(20年度「国民医療費の概況」より)に上る国家的課題だ。  糖尿病患者の9割以上を占めるのが2型であり、その病態は、血糖値を下げるインスリンの働きが足りない、と平たく表現することができる。以前は、代謝に関与する膵臓・肝臓・脂肪・骨格筋などの末梢組織に原因がもっぱら存在すると考えられ、薬の標的もそれらだった。だが、21世紀に入った頃から、脳を代表とする中枢神経系による制御の重要性が注目されるようになってきた。  16年には、糖尿病マウスの脳にFGF1を1回投与することによって長期間、末梢での耐糖能改善を果たしたと米ワシントン大学のグループが『Nature Medici

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