読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー
医療の進歩の終わりの始まり
第209回
大西一幸
2023年1月15日号
医療は救われるか 医師の堕落
シェイマス・オウマハニー 小林政子訳
図書刊行会
2022年2月刊
シェイマス・オウマハニーの本は2冊目。4年近く前に『現代の死に方』を読んだ。その時の同じ訳者のあとがきでは、オウマハニーの本自体が2冊目で、原書は新型コロナウイルス感染症パンデミック前の19年に刊行された。著者は消化器専門医だが、英国民保健サービス(NHS)で働いてきた経歴やその医療全体の眺め方からみても、総合診療医としての印象が強い。
前書の『現代の死に方』は、主として終末期医療や、緩和医療の現状をテキストに過剰な終末医療、「尊厳死」がパターナリズムに転化し始めている危惧など、少々きつい言葉で批判していたが、今回、さらにその筆致は厳しさを増した。サブタイトルは「医師の堕落」だ。帯には「医療のあるべき姿を見つめ直す」とマイルド...
医療は救われるか 医師の堕落
シェイマス・オウマハニー 小林政子訳
図書刊行会
2022年2月刊
シェイマス・オウマハニーの本は2冊目。4年近く前に『現代の死に方』を読んだ。その時の同じ訳者のあとがきでは、オウマハニーの本自体が2冊目で、原書は新型コロナウイルス感染症パンデミック前の19年に刊行された。著者は消化器専門医だが、英国民保健サービス(NHS)で働いてきた経歴やその医療全体の眺め方からみても、総合診療医としての印象が強い。
前書の『現代の死に方』は、主として終末期医療や、緩和医療の現状をテキストに過剰な終末医療、「尊厳死」がパターナリズムに転化し始めている危惧など、少々きつい言葉で批判していたが、今回、さらにその筆致は厳しさを増した。サブタイトルは「医師の堕落」だ。帯には「医療のあるべき姿を見つめ直す」とマイルドな表
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