家計簿目線の医療経済 コスパ患者学
テリパラチドの骨折予防 NNT:38〜250、薬剤負担:約16万円
第12回
黒澤 恵
2023年1月15日号
治療にかかる薬剤費と治療効率から薬剤のコストパフォーマンスを考える「コスパ患者学」。今回は骨粗鬆症治療薬に焦点を当てる。「骨折・転倒」は日本の「要支援」・「要介護」者とも3番目に多い原因であり(②)、骨粗鬆症治療による予防は重要である。しかしわが国の骨粗鬆症ガイドライン最新版(15年)は、ガイドラインでありながらどの薬剤から使うべきなのか明記していない。対照的なのが米国内科学会による骨粗鬆症薬剤治療ガイドラインである。エビデンスとコストを勘案した薬剤推奨を掲げている。その最新版が23年1月3日、アップデートされた(③)。17年版では女性に対し、ビスホスホネート製剤と並んで第1選択薬とされていた併記されていた「デノスマブ」が第2選択薬に下がり、一方、「ロモソズマブ」と「テリパラチド」は新たに、ビスホスホネート製剤開始後の骨折超高リスク女性という限定の...
治療にかかる薬剤費と治療効率から薬剤のコストパフォーマンスを考える「コスパ患者学」。今回は骨粗鬆症治療薬に焦点を当てる。「骨折・転倒」は日本の「要支援」・「要介護」者とも3番目に多い原因であり(②)、骨粗鬆症治療による予防は重要である。しかしわが国の骨粗鬆症ガイドライン最新版(15年)は、ガイドラインでありながらどの薬剤から使うべきなのか明記していない。対照的なのが米国内科学会による骨粗鬆症薬剤治療ガイドラインである。エビデンスとコストを勘案した薬剤推奨を掲げている。その最新版が23年1月3日、アップデートされた(③)。17年版では女性に対し、ビスホスホネート製剤と並んで第1選択薬とされていた併記されていた「デノスマブ」が第2選択薬に下がり、一方、「ロモソズマブ」と「テリパラチド」は新たに、ビスホスホネート製剤開始後の骨折超高リスク女性という限定の下
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