読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー
依存症は生物学的疾患だ
第210回
大西一幸
2023年2月1日号
最後の一杯
依存症を克服した医師の手記
オリビエ・アメイセン/橋本望・橋本直子訳
青土社/2022年12月刊
「依存症は本当にまったくの悪夢であり、その悪夢の中で、恐怖から目覚めるのではなく、恐怖へと目覚めるのだ」。今回の読書で最も印象に残ったフレーズ。アルコール依存症との闘いを記録した著者が、本格的に自らの依存症治療のプロトコルを実践し始めたときの独白だが、このフレーズにアルコール依存症の恐さが凝縮している。
私も酒好きのことでは人後に落ちない自信はあるが、依存症という自覚はない。そもそも飲酒をやめたいと苦しんだことはないし、心臓疾患治療で1ヵ月ほど禁酒をしたときも、断酒の苦しみはなかった。心疾患のときは同時に禁煙したが、禁煙のほうが精神的には苦しかった記憶がある。しかし、禁煙には成功した。酒は現在もほぼ毎日飲むが...
最後の一杯
依存症を克服した医師の手記
オリビエ・アメイセン/橋本望・橋本直子訳
青土社/2022年12月刊
「依存症は本当にまったくの悪夢であり、その悪夢の中で、恐怖から目覚めるのではなく、恐怖へと目覚めるのだ」。今回の読書で最も印象に残ったフレーズ。アルコール依存症との闘いを記録した著者が、本格的に自らの依存症治療のプロトコルを実践し始めたときの独白だが、このフレーズにアルコール依存症の恐さが凝縮している。
私も酒好きのことでは人後に落ちない自信はあるが、依存症という自覚はない。そもそも飲酒をやめたいと苦しんだことはないし、心臓疾患治療で1ヵ月ほど禁酒をしたときも、断酒の苦しみはなかった。心疾患のときは同時に禁煙したが、禁煙のほうが精神的には苦しかった記憶がある。しかし、禁煙には成功した。酒は現在もほぼ毎日飲むが、酒
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