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医政羅針盤

先行き不透明な「異次元の少子化対策」

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2023年2月15日号

 岸田文雄首相が「異次元の少子化対策」を打ち出し、大きな議論を巻き起こしている。出生数の減少が止まらず、人口減少が加速している現状は、「国難」とも言える焦眉の急の事態である。「異次元の少子化対策」を掲げること自体は方向性として正しい。  しかし、政府はこれまでも少子化対策や子育て支援を相次いで行ってきた。91年に成立した育児休業法(その後、育児・介護休業法へと改正)に始まり、12年には「社会保障と税の一体改革」の一環として、子ども・子育て支援法が制定されている。  19年には子ども・子育て支援法が改正され、幼児教育・保育が無償化されたが、当時の安倍晋三首相は国会答弁で、「これまでとは次元の異なる政策を実行することにより、子育てや教育に係る負担を大幅に軽減し、日本を、子どもたちを産み、そして育てやすい国へと大き...  岸田文雄首相が「異次元の少子化対策」を打ち出し、大きな議論を巻き起こしている。出生数の減少が止まらず、人口減少が加速している現状は、「国難」とも言える焦眉の急の事態である。「異次元の少子化対策」を掲げること自体は方向性として正しい。  しかし、政府はこれまでも少子化対策や子育て支援を相次いで行ってきた。91年に成立した育児休業法(その後、育児・介護休業法へと改正)に始まり、12年には「社会保障と税の一体改革」の一環として、子ども・子育て支援法が制定されている。  19年には子ども・子育て支援法が改正され、幼児教育・保育が無償化されたが、当時の安倍晋三首相は国会答弁で、「これまでとは次元の異なる政策を実行することにより、子育てや教育に係る負担を大幅に軽減し、日本を、子どもたちを産み、そして育てやすい国へと大きく

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