現場が望む社会保障制度
介護保険改正は想定以上の「小粒」に
第94回
ニッセイ基礎研究所主任研究員 三原 岳
2023年3月1日号
3年に1度の介護保険改正に向けた厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会での議論が一応、昨年末に決着を見た。ここで「一応」と書いたのは多くの案件を先送りしたためであり、制度改正は当初の想定以上に「小粒」となった。見直し案件のうち、2割負担の対象者拡大については、今年夏に改めて議論することになった。サービスの調整を担うなどケアマネジメントの有料化や軽度者向け給付の見直しについても、27年度にも実施される次の次の制度改正に結論を持ち越した。
その結果、制度改正案件は「現場の生産性向上に関する自治体の役割を明記」などにとどまった。古くから「山椒は小粒でもピリリと辛い」というが、味さえ感じないほど「小粒」になった内容を考察するともに、多くの案件が先送りされた背景を考える。
介護保険制度は創設から20年を経て、財源と人材の不足...
3年に1度の介護保険改正に向けた厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会での議論が一応、昨年末に決着を見た。ここで「一応」と書いたのは多くの案件を先送りしたためであり、制度改正は当初の想定以上に「小粒」となった。見直し案件のうち、2割負担の対象者拡大については、今年夏に改めて議論することになった。サービスの調整を担うなどケアマネジメントの有料化や軽度者向け給付の見直しについても、27年度にも実施される次の次の制度改正に結論を持ち越した。
その結果、制度改正案件は「現場の生産性向上に関する自治体の役割を明記」などにとどまった。古くから「山椒は小粒でもピリリと辛い」というが、味さえ感じないほど「小粒」になった内容を考察するともに、多くの案件が先送りされた背景を考える。
介護保険制度は創設から20年を経て、財源と人材の不足が
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