医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

臓器から多様な生活習慣をみる

第212回

大西一幸

2023年3月1日号

未知なる人体への旅 ジョナサン・ライスマン 羽田詩津子訳 NHK出版 2022年11月刊  小学生の頃に一緒に暮らした母方の祖父は、晩酌に焼酎を1合ほど飲む習慣があった。入手する焼酎はヤミ業者が直接売りに来る。原料は定かではなかった。焼酎は水枕に入れられており、30歳くらいの実直そうな若者が週に1度の頻度で、バイクで運んできた。水枕の中身が焼酎というのも思い出すたびに滑稽な気がするのだが、祖父は水枕がくると、微量の焼酎を円卓の上に零し、火をつけてその炎で品質を鑑定していた。  家は漁師町にあり、酒肴は干したハゼや姫貝を炙ったものや、生牡蠣を橙酢で和えたものが中心で、実は私たち子どもにも好物だった。祖父は孫たちが自分の酒肴にときおり手を出すのが嬉しいらしく、遠慮していると目で促したりした。  親戚がときどき持っ... 未知なる人体への旅 ジョナサン・ライスマン 羽田詩津子訳 NHK出版 2022年11月刊  小学生の頃に一緒に暮らした母方の祖父は、晩酌に焼酎を1合ほど飲む習慣があった。入手する焼酎はヤミ業者が直接売りに来る。原料は定かではなかった。焼酎は水枕に入れられており、30歳くらいの実直そうな若者が週に1度の頻度で、バイクで運んできた。水枕の中身が焼酎というのも思い出すたびに滑稽な気がするのだが、祖父は水枕がくると、微量の焼酎を円卓の上に零し、火をつけてその炎で品質を鑑定していた。  家は漁師町にあり、酒肴は干したハゼや姫貝を炙ったものや、生牡蠣を橙酢で和えたものが中心で、実は私たち子どもにも好物だった。祖父は孫たちが自分の酒肴にときおり手を出すのが嬉しいらしく、遠慮していると目で促したりした。  親戚がときどき持ってく

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence