時流遡航
日々諸事遊考58
第298回 ─日本の教育界や学術研究界に思うこと⑦─
本田成親
2023年3月15日号
国際卓越大学制度の行く末は厳しく監視する必要がある
これまで日本の大学の教育水準や学術研究体系には大きな翳りが生じ、近年、国際的な場におけるその存在感が薄れつつある状況について愚見を述べさせてもらった(22年12月15日号〜23年3月1日号)。この問題に関する一連の論考は今回をもって結びとするが、今少しばかり私見を補足しておきたい。
近年に至るまで国民の誰もが、教育や学術研究分野において、日本は世界の先進国のひとつであると自負してきた。だが、冷静に過去を顧みてみると、そのような自負を抱くようになったのは、学問の意義や重要性を真摯に評価し、諸々の学術研究の必要性を心底理解したうえでのことではなかった。
残念なことではあるが、この国の高等教育や基礎学術研究などに対する一般的知見というものは、学歴重視社会の実態...
国際卓越大学制度の行く末は厳しく監視する必要がある
これまで日本の大学の教育水準や学術研究体系には大きな翳りが生じ、近年、国際的な場におけるその存在感が薄れつつある状況について愚見を述べさせてもらった(22年12月15日号〜23年3月1日号)。この問題に関する一連の論考は今回をもって結びとするが、今少しばかり私見を補足しておきたい。
近年に至るまで国民の誰もが、教育や学術研究分野において、日本は世界の先進国のひとつであると自負してきた。だが、冷静に過去を顧みてみると、そのような自負を抱くようになったのは、学問の意義や重要性を真摯に評価し、諸々の学術研究の必要性を心底理解したうえでのことではなかった。
残念なことではあるが、この国の高等教育や基礎学術研究などに対する一般的知見というものは、学歴重視社会の実態に
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