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医政羅針盤

金融政策と医療政策―その関係性と展望

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2023年3月15日号

 日本銀行の黒田東彦総裁の後任の新総裁に経済学者の植田和男東京大学名誉教授が就任する見通しとなった。医療にとって、日銀の金融政策は遠い世界の話だと思いがちだが、実は少なからず影響がある。金融政策は物価や為替レートを大きく左右し得るからだ。  最近でも、円安の影響も相俟っての物価の高騰は、医療機関や製薬企業などにとって、光熱水費や原材料費など、コストの急激な増加をもたらしているが、自由に価格に転嫁できないため、経営を圧迫する要因となっている。施設を新築・改修する場合には、建設資材の価格上昇も問題となっており、設備投資も困難になりかねない。  他方で、これまでは物価が上がらないことが問題であった。日本の医薬品市場の魅力が低下していると言われ、薬価の大幅な引き下げが影響しているのは言うまでもないが、過去20年以...  日本銀行の黒田東彦総裁の後任の新総裁に経済学者の植田和男東京大学名誉教授が就任する見通しとなった。医療にとって、日銀の金融政策は遠い世界の話だと思いがちだが、実は少なからず影響がある。金融政策は物価や為替レートを大きく左右し得るからだ。  最近でも、円安の影響も相俟っての物価の高騰は、医療機関や製薬企業などにとって、光熱水費や原材料費など、コストの急激な増加をもたらしているが、自由に価格に転嫁できないため、経営を圧迫する要因となっている。施設を新築・改修する場合には、建設資材の価格上昇も問題となっており、設備投資も困難になりかねない。  他方で、これまでは物価が上がらないことが問題であった。日本の医薬品市場の魅力が低下していると言われ、薬価の大幅な引き下げが影響しているのは言うまでもないが、過去20年以上

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