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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

2型糖尿病へのシタグリプチン NNT:偽薬と差なし 薬剤負担:4万円弱

第16回

黒澤 恵

2023年3月15日号

 薬剤のNNT(※)と薬剤費から治療効率を考える「コスパ患者学」。これから数回は、第2回(22年8月1日号)で取り上げたDPP―4阻害薬を個別に検討してみよう。DPP―4阻害薬は「使いやすい」との評判が医師間で高く、国内で最も使われている2型糖尿病薬だ(①)。  今回取り上げるのは「シタグリプチン」。DPP―4阻害薬の先陣を切って発売された薬剤である。  まず最初に、糖尿病治療の目標を再確認する。日本糖尿病学会作成の「糖尿病診療ガイドライン2019」では「高血糖に起因する代謝異常」の改善に加え、「糖尿病に特徴的な合併症」と「糖尿病に起こりやすい併発症」の「発症増悪」予防が治療目的とされている。血糖値を下げさえすればいいわけではない。  では、シタグリプチンは「糖尿病に起こりやすい併発症」をどれほど抑制するのだろうか。同ガイドラインが一...  薬剤のNNT(※)と薬剤費から治療効率を考える「コスパ患者学」。これから数回は、第2回(22年8月1日号)で取り上げたDPP―4阻害薬を個別に検討してみよう。DPP―4阻害薬は「使いやすい」との評判が医師間で高く、国内で最も使われている2型糖尿病薬だ(①)。  今回取り上げるのは「シタグリプチン」。DPP―4阻害薬の先陣を切って発売された薬剤である。  まず最初に、糖尿病治療の目標を再確認する。日本糖尿病学会作成の「糖尿病診療ガイドライン2019」では「高血糖に起因する代謝異常」の改善に加え、「糖尿病に特徴的な合併症」と「糖尿病に起こりやすい併発症」の「発症増悪」予防が治療目的とされている。血糖値を下げさえすればいいわけではない。  では、シタグリプチンは「糖尿病に起こりやすい併発症」をどれほど抑制するのだろうか。同ガイドラインが一例

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