財界論
「王朝」の輝きは増すのか
第30回 トヨタ次期会長が次期経団連会長に浮上
茨城大学名誉教授 古賀純一郎
2023年3月15日号
豊田章男トヨタ自動車社長が次期日本経団連会長の最有力候補に急浮上している。実父の豊田章一郎(97)名誉会長(第8代経団連会長)の先日の逝去前に発表された同社人事で4月の会長昇格が決まったためだ。2兆円の利益を叩き出すグローバル企業のトップが就けばブランドイメージは跳ね上がるし、ビジネス拡大をめざす会員企業にとってこれ以上のものはない。実現すれば初となる30年ぶりの2世の同就任でトヨタ王朝は一段と輝きを増すのか。
豊田が経団連会長に就いたのは政治が未曽有の混乱の中にあった29年前の94年5月。前年の総選挙敗退で自民党が38年ぶりに下野、細川護熙連立政権が樹立された1年後である。野党転落で「もはや意味はなくなった」として当時の財界総理平岩外四は自民党四役との定例懇談会ばかりか政治献金の斡旋を廃止。その一方で首相の私的諮問機関「経...
豊田章男トヨタ自動車社長が次期日本経団連会長の最有力候補に急浮上している。実父の豊田章一郎(97)名誉会長(第8代経団連会長)の先日の逝去前に発表された同社人事で4月の会長昇格が決まったためだ。2兆円の利益を叩き出すグローバル企業のトップが就けばブランドイメージは跳ね上がるし、ビジネス拡大をめざす会員企業にとってこれ以上のものはない。実現すれば初となる30年ぶりの2世の同就任でトヨタ王朝は一段と輝きを増すのか。
豊田が経団連会長に就いたのは政治が未曽有の混乱の中にあった29年前の94年5月。前年の総選挙敗退で自民党が38年ぶりに下野、細川護熙連立政権が樹立された1年後である。野党転落で「もはや意味はなくなった」として当時の財界総理平岩外四は自民党四役との定例懇談会ばかりか政治献金の斡旋を廃止。その一方で首相の私的諮問機関「経済改
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