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時流遡航

日々諸事遊考59

第299回 ─しばし随想の赴くままに  早朝の多摩河畔にて想うこと─

本田成親

2023年4月1日号

   現在、時刻は午前5時過ぎ、東の空から陽が昇るまでにはまだしばし時間がある。老いたこの身が今辿りつつあるのは、多摩川の左岸堤防上にのびる遊歩道「風の道」である。我が家からこの「風の道」までは徒歩で5分とかからないから、晴れた日の早朝や夕刻などには、気の向くままその一帯を散策することにしている。  多摩川原を左手に望みながら歳相応の緩やかな歩調で上流側へと向かうこの目に、静やかに浮かび立つ奥多摩連峰の遠い山影が飛び込んできた。青みを帯びてくっきりと浮かび上がる日の出前のその稜線の景観には、いつ眺めても心打たれるものがある。  御岳山、大岳山、御前山、三頭山、そして視界の利く折などは、奥多摩湖の北方に位置する鷹巣山の影までが遠望される。学生時代などには、国土地理院刊行の5万分の1の地図を片手に、重いザッ...    現在、時刻は午前5時過ぎ、東の空から陽が昇るまでにはまだしばし時間がある。老いたこの身が今辿りつつあるのは、多摩川の左岸堤防上にのびる遊歩道「風の道」である。我が家からこの「風の道」までは徒歩で5分とかからないから、晴れた日の早朝や夕刻などには、気の向くままその一帯を散策することにしている。  多摩川原を左手に望みながら歳相応の緩やかな歩調で上流側へと向かうこの目に、静やかに浮かび立つ奥多摩連峰の遠い山影が飛び込んできた。青みを帯びてくっきりと浮かび上がる日の出前のその稜線の景観には、いつ眺めても心打たれるものがある。  御岳山、大岳山、御前山、三頭山、そして視界の利く折などは、奥多摩湖の北方に位置する鷹巣山の影までが遠望される。学生時代などには、国土地理院刊行の5万分の1の地図を片手に、重いザックを

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