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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

2型糖尿病へのリナグリプチン NNT:偽薬と差なし 薬剤負担:3万円強

第17回

黒澤 恵

2023年4月1日号

 薬剤の治療効率をNNT(*)で評価し、薬剤費と照らし合わせて費用対効果を考える「コスパ患者学」。第16回に引き続き血糖低下薬であるDPP-4阻害薬を取り上げる。横浜市立大学の調査によると、日本の成人2型糖尿病に対して、単独で処方されている血糖低下薬(除インスリン)としてはDPP-4阻害薬が65%と圧倒的に多い(①)。「低血糖リスクが低い」などの使いやすさが人気を呼んでいるようだ。今回は前回取り上げたシタグリプチンと同様に頻用されているリナグリプチンを見てみよう。  まず治療効率を検討すべく「合併症抑制作用」を調べる。というのも糖尿病治療の目的として日本糖尿病対策推進会議による「糖尿病治療のエッセンス」が挙げているのが、「血管合併症の発症、進展」「阻止」と「糖尿病にない人と変わらない寿命、QOL」「実現」の2点だからだ。「血糖コントロール」そのもの...  薬剤の治療効率をNNT(*)で評価し、薬剤費と照らし合わせて費用対効果を考える「コスパ患者学」。第16回に引き続き血糖低下薬であるDPP-4阻害薬を取り上げる。横浜市立大学の調査によると、日本の成人2型糖尿病に対して、単独で処方されている血糖低下薬(除インスリン)としてはDPP-4阻害薬が65%と圧倒的に多い(①)。「低血糖リスクが低い」などの使いやすさが人気を呼んでいるようだ。今回は前回取り上げたシタグリプチンと同様に頻用されているリナグリプチンを見てみよう。  まず治療効率を検討すべく「合併症抑制作用」を調べる。というのも糖尿病治療の目的として日本糖尿病対策推進会議による「糖尿病治療のエッセンス」が挙げているのが、「血管合併症の発症、進展」「阻止」と「糖尿病にない人と変わらない寿命、QOL」「実現」の2点だからだ。「血糖コントロール」そのものが治

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