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業界展望

飛べない「鷲のマーク」PBR1倍割れを問う

第22回 大正製薬ホールディングス

クレディ・スイス証券株式会社株式調査部ディレクター 酒井文義

2023年4月1日号

 少し遡るが、大正製薬ホールディングスが2月9日に発表した23年3月期第3四半期決算とその直後に開催された決算説明電話会議は、久方ぶりに注目を集めたのではないだろうか。  その理由は、まず決算そのものが好調だったことだ。第3四半期までの途中ラップとはいえ、売上高は2277億円で前年同期比14%増、営業利益が231億円で3.24倍増、四半期純利益も209億円と2.33倍増の大幅増益を記録した。ただ、22年3月期第3四半期決算は売上高2001億円で▲1.6%、営業利益71億円で▲66%、四半期純利益90億円で▲37%と大幅減益であったことを考えると手放しで喜べる状況ではない。減収大幅減益の要因は医薬事業で骨粗しょう症治療薬「エディロール」を共同販売パートナーだった中外製薬へ全面移管したためで、22年3月期で約162億円の減収となり、収益の重石となった。  また、22年3月期は...  少し遡るが、大正製薬ホールディングスが2月9日に発表した23年3月期第3四半期決算とその直後に開催された決算説明電話会議は、久方ぶりに注目を集めたのではないだろうか。  その理由は、まず決算そのものが好調だったことだ。第3四半期までの途中ラップとはいえ、売上高は2277億円で前年同期比14%増、営業利益が231億円で3.24倍増、四半期純利益も209億円と2.33倍増の大幅増益を記録した。ただ、22年3月期第3四半期決算は売上高2001億円で▲1.6%、営業利益71億円で▲66%、四半期純利益90億円で▲37%と大幅減益であったことを考えると手放しで喜べる状況ではない。減収大幅減益の要因は医薬事業で骨粗しょう症治療薬「エディロール」を共同販売パートナーだった中外製薬へ全面移管したためで、22年3月期で約162億円の減収となり、収益の重石となった。  また、22年3月期は「リ

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