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医工連携

糖尿病治療を酵素センサで下支え

医工連携の実践者89 六車仁志 順天堂大学教授

2023年4月15日号

 糖尿病患者のインスリン注射は、注射直前に指先などから採取した末梢血で血糖自己測定(SMBG)を行い、結果に基づいて量を調節するのが一般的だ。だが、過剰に注射すると低血糖で気を失ったりして危険なため、量が控えめになりやすい。つまり充分に血糖値を下げられない人が多い。  その難しいインスリン注射を全自動化した米バイオニクス社製人工膵臓の1型糖尿病患者への臨床試験結果が昨年9月、『The New England Journal of Medicine』誌の巻頭に掲載され、世界に衝撃を与えた。米デクスコム社製リアルタイム持続血糖測定(CGM)装置のDexcomG6と独自の制御アルゴリズムを積んだインスリンポンプの組み合わせで、低血糖症状など重篤な副作用を生じることなく、HbA1cが平均7.9%から7.3%へと改善したという。  このようにリアルタイムCGMを上手に利用することで、患者のQ...  糖尿病患者のインスリン注射は、注射直前に指先などから採取した末梢血で血糖自己測定(SMBG)を行い、結果に基づいて量を調節するのが一般的だ。だが、過剰に注射すると低血糖で気を失ったりして危険なため、量が控えめになりやすい。つまり充分に血糖値を下げられない人が多い。  その難しいインスリン注射を全自動化した米バイオニクス社製人工膵臓の1型糖尿病患者への臨床試験結果が昨年9月、『The New England Journal of Medicine』誌の巻頭に掲載され、世界に衝撃を与えた。米デクスコム社製リアルタイム持続血糖測定(CGM)装置のDexcomG6と独自の制御アルゴリズムを積んだインスリンポンプの組み合わせで、低血糖症状など重篤な副作用を生じることなく、HbA1cが平均7.9%から7.3%へと改善したという。  このようにリアルタイムCGMを上手に利用することで、患者のQOL

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