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技術革新と製薬企業の明日

期待のTCEは市場を席巻するか

第149回 試される他剤併用と治療成績

宮田総研代表取締役 宮田満

2023年4月15日号

 その奏効率から画期的ながんの治療法として17年に欧米で、日本では19年に商業化され、すでにブロックバスターまでに成長したCAR―T細胞。ここに強力なライバルが出現した。それがT細胞エンゲージャー(TCE)である。22年から本格的実用化が始まり、現在米国では3製品が販売中で、26種類のTCEが治験の最中にある。まさに、TCEの爆発的開発が始まったのだ。  TCEは片腕でがん特異抗原を結合し、もう片腕でT細胞特異抗原であるCD3と結合する分子だ。大別すると2種類ある。BiTE(二重特異性T細胞誘導抗体)と2抗原特異抗体である。商業化が先行したのはBiTEで、2種類の抗体の抗原結合部位だけをリンカーでつないだ人工低分子抗体だ。17年7月に米アムジェンが米国で「ビーリンサイト」(一般名:ブリナツモマブ)を商業化した。また、日本でも18年11月に発売された。  作用機序は...  その奏効率から画期的ながんの治療法として17年に欧米で、日本では19年に商業化され、すでにブロックバスターまでに成長したCAR―T細胞。ここに強力なライバルが出現した。それがT細胞エンゲージャー(TCE)である。22年から本格的実用化が始まり、現在米国では3製品が販売中で、26種類のTCEが治験の最中にある。まさに、TCEの爆発的開発が始まったのだ。  TCEは片腕でがん特異抗原を結合し、もう片腕でT細胞特異抗原であるCD3と結合する分子だ。大別すると2種類ある。BiTE(二重特異性T細胞誘導抗体)と2抗原特異抗体である。商業化が先行したのはBiTEで、2種類の抗体の抗原結合部位だけをリンカーでつないだ人工低分子抗体だ。17年7月に米アムジェンが米国で「ビーリンサイト」(一般名:ブリナツモマブ)を商業化した。また、日本でも18年11月に発売された。  作用機序は、Bi

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