検証 医薬品と[特許]
コロナワウチンと医薬品アクセス問題
第15回
元大阪大学大学院 経済学研究科講師 西口博之
2023年4月15日号
医薬品アクセス問題
医薬品は特許が切れると後発品を出すことができるが、後発開発途上国(LDCs)の人々にはそれでも医薬品をアクセスできないという問題が残る。このため、とくにエイズ撲滅のための世界の国連など公的機間並びにMSF(国境なき医師団)・OXFANなどを含む非政府組織(NGO)は活発的に活動してきた(①)。その歴史を振り返りたい。
LDCsと支持するNGOによる主張は、医薬品が高くて手に入らないのは特許による独占的な販売ができるからであって、すなわち特許権は医薬品アクセスの「障害」であるとの考え方がある。一方、欧米の医薬品業界を中心とした貿易を重視する人々にとっては、LDCsのほとんどに特許法自体が存在せず、医薬品の無償提供もインフラの不備から効果が上がらないことから、薬価よりも「政府の無策」と反論されてきた。
しかしながら、LD...
医薬品アクセス問題
医薬品は特許が切れると後発品を出すことができるが、後発開発途上国(LDCs)の人々にはそれでも医薬品をアクセスできないという問題が残る。このため、とくにエイズ撲滅のための世界の国連など公的機間並びにMSF(国境なき医師団)・OXFANなどを含む非政府組織(NGO)は活発的に活動してきた(①)。その歴史を振り返りたい。
LDCsと支持するNGOによる主張は、医薬品が高くて手に入らないのは特許による独占的な販売ができるからであって、すなわち特許権は医薬品アクセスの「障害」であるとの考え方がある。一方、欧米の医薬品業界を中心とした貿易を重視する人々にとっては、LDCsのほとんどに特許法自体が存在せず、医薬品の無償提供もインフラの不備から効果が上がらないことから、薬価よりも「政府の無策」と反論されてきた。
しかしながら、LDCs
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録