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家計簿目線の医療経済 コスパ患者学

2型糖尿病に対するビルダグリプチン:心臓血管系疾患:偽薬・他剤と差なし

第19回

黒澤 恵

2023年5月1日号

 日本人の糖尿病患者では、糖尿病のない人に比べ心筋梗塞などの虚血性心疾患リスクが2.5〜5倍、脳梗塞のリスクは2〜4倍高い(①)。従って糖尿病治療ではこれら重篤な心臓血管系疾患の予防が非常に重要となる。  しかしながら本連載(第16、17回)で明らかにしたとおり、血糖低下薬であるDPP-4阻害薬は「シタグリプチン」「リナグリプチン」ともに、2型糖尿病患者の血糖値こそ偽薬に比べて下げるものの、肝心な「心臓血管系疾患」は減らさない(抑制作用は偽薬と差なし)。 「そのような薬に決して安くはない薬代を払う必要があるのか」という疑問が拭い去れないが、今回は前記2剤と同様、日本で頻用されているDPP-4阻害薬「ビルダグリプチン」を取り上げる。販売企業によると、22年度の売上高予想はメトホルミンとの配合剤も合わせれば341億円。21年度売上高よりも30億円以上...  日本人の糖尿病患者では、糖尿病のない人に比べ心筋梗塞などの虚血性心疾患リスクが2.5〜5倍、脳梗塞のリスクは2〜4倍高い(①)。従って糖尿病治療ではこれら重篤な心臓血管系疾患の予防が非常に重要となる。  しかしながら本連載(第16、17回)で明らかにしたとおり、血糖低下薬であるDPP-4阻害薬は「シタグリプチン」「リナグリプチン」ともに、2型糖尿病患者の血糖値こそ偽薬に比べて下げるものの、肝心な「心臓血管系疾患」は減らさない(抑制作用は偽薬と差なし)。 「そのような薬に決して安くはない薬代を払う必要があるのか」という疑問が拭い去れないが、今回は前記2剤と同様、日本で頻用されているDPP-4阻害薬「ビルダグリプチン」を取り上げる。販売企業によると、22年度の売上高予想はメトホルミンとの配合剤も合わせれば341億円。21年度売上高よりも30億円以上落ち

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