薬のおカネを議論しよう
付加価値低いのに売れている薬ばかりー米国の評価
第88回
医療ガバナンス研究所医師 谷本哲也
2023年5月1日号
次々に登場する高額な新薬が象徴するように、薬剤費は世界中の課題だ。もちろん、その効果に見合う値段であれば文句はないが、さほど効果がなければ医師として処方は慎重にならざるを得ない。大きな売上高を誇る薬は何かと注目されるが、既存の薬や治療に比べて、それらの薬は値段に見合う便益があるのだろうか。 その疑問に答える研究のひとつが、『米国医師会誌』(4月18日号)に掲載された。著者はこの分野で米国の第一人者であるハーバード大学医学部のアーロン・S・ケッセルハイム氏のグループだ。日本では薬価改定ごとに価格が下げられるが、米国では市場投入後に自由に薬の価格を釣り上げることもできる。そのため、他の先進国の2〜3倍以上の販売価格となることもあり、薬価問題は日本以上に深刻だ。 医薬品などの費用対効果を含めた総合的評価には、医療技術評価(HTA)機関で独立した評価を...
次々に登場する高額な新薬が象徴するように、薬剤費は世界中の課題だ。もちろん、その効果に見合う値段であれば文句はないが、さほど効果がなければ医師として処方は慎重にならざるを得ない。大きな売上高を誇る薬は何かと注目されるが、既存の薬や治療に比べて、それらの薬は値段に見合う便益があるのだろうか。 その疑問に答える研究のひとつが、『米国医師会誌』(4月18日号)に掲載された。著者はこの分野で米国の第一人者であるハーバード大学医学部のアーロン・S・ケッセルハイム氏のグループだ。日本では薬価改定ごとに価格が下げられるが、米国では市場投入後に自由に薬の価格を釣り上げることもできる。そのため、他の先進国の2〜3倍以上の販売価格となることもあり、薬価問題は日本以上に深刻だ。 医薬品などの費用対効果を含めた総合的評価には、医療技術評価(HTA)機関で独立した評価を行
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