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技術革新と製薬企業の明日

RAバインダー開発競争で新展開

第150回 抗体医薬の生みの親が仕掛けた大型契約

宮田総研代表取締役 宮田満

2023年5月15日号

 抗体医薬の生みの親である英国の生化学者グレゴリー・ウィンター卿の逆襲が始まった。ヒト化抗体の創製、ファージ・ディスプレイによる完全ヒト抗体の実用化、抗体断片を結合したドメイン抗体開発に続いて、今度は完全合成低分子抗体であるバイシクル・ペプチド(bペプチド)による抗がん剤の開発だ。bペプチドの分子量は1500から2000。まさに中分子薬そのものだ。中外製薬とペプチドリームの独壇場かと思われていた中分子薬開発に、ウィンター卿が本格的に参入してきた。  ウィンター卿はまさに天才。抗体医薬が急速に発展する基盤となった組換え抗体や抗体誘導体など、抗体に関する新規モダリティを発明してきた。そして最後の挑戦が完全合成抗体、bペプチドだ。  ウィンター卿は希代のアントレプレナーでもある。生涯に3つものベンチャー企業を創設。まずファージ・ディ...  抗体医薬の生みの親である英国の生化学者グレゴリー・ウィンター卿の逆襲が始まった。ヒト化抗体の創製、ファージ・ディスプレイによる完全ヒト抗体の実用化、抗体断片を結合したドメイン抗体開発に続いて、今度は完全合成低分子抗体であるバイシクル・ペプチド(bペプチド)による抗がん剤の開発だ。bペプチドの分子量は1500から2000。まさに中分子薬そのものだ。中外製薬とペプチドリームの独壇場かと思われていた中分子薬開発に、ウィンター卿が本格的に参入してきた。  ウィンター卿はまさに天才。抗体医薬が急速に発展する基盤となった組換え抗体や抗体誘導体など、抗体に関する新規モダリティを発明してきた。そして最後の挑戦が完全合成抗体、bペプチドだ。  ウィンター卿は希代のアントレプレナーでもある。生涯に3つものベンチャー企業を創設。まずファージ・ディスプ

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