検証 医薬品と[特許]
コロナワクチンと強制実施権
第16回
元大阪大学大学院 経済学研究科講師 西口博之
2023年5月15日号
貿易に関する知的財産の保護を定めた国際協定「TRIPS協定」では、特許権について第27条第1項に「特許は、新規性・進歩性及び産業上の利用可能性のあるすべての技術分野(物であるか方法であるかを問わず)について与えられる。発明地及び技術分野並びに物が輸入されたものであるか国内で生産されたものであるかについて差別することなく、特許が与えられ及び特許権が享受される」と規定している。ちなみに、加盟国のTRIPS協定の履行義務(適用時期)は、表のように定められている。
このようにTRIPS協定は先進国から遅れて途上国やLDCsでも履行義務が発生したが、これによって世界的に知財の保護が法整備されたと言える。一方で、一定の要件を満たした場合に、政府は特許権者の許諾を得なくても、特許発明を実施する権利を第三者に認めることができる「強制実施権」の制度...
貿易に関する知的財産の保護を定めた国際協定「TRIPS協定」では、特許権について第27条第1項に「特許は、新規性・進歩性及び産業上の利用可能性のあるすべての技術分野(物であるか方法であるかを問わず)について与えられる。発明地及び技術分野並びに物が輸入されたものであるか国内で生産されたものであるかについて差別することなく、特許が与えられ及び特許権が享受される」と規定している。ちなみに、加盟国のTRIPS協定の履行義務(適用時期)は、表のように定められている。
このようにTRIPS協定は先進国から遅れて途上国やLDCsでも履行義務が発生したが、これによって世界的に知財の保護が法整備されたと言える。一方で、一定の要件を満たした場合に、政府は特許権者の許諾を得なくても、特許発明を実施する権利を第三者に認めることができる「強制実施権」の制度が存
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録