業界団体の会長人事、輪番制で「モノ言わぬ」弊害

NOTEBOOK-こぼれ話

2023年5月15日号

「モノ言わぬお行儀の良い業界」との評価が定着した製薬業界の団体トップ人事が今月下旬に行われる。日本製薬工業協会では、筆頭副会長の田辺三菱製薬の上野裕明代表取締役が新会長に選出され、連動して現製薬協会長のエーザイの岡田安史代表執行役COOが日本製薬団体連合会の会長に就任する。こうしたトップ人事は、幹部会員企業で申し合わせた「輪番制」で決まっているため、既定路線である。　会長会社の輪番制については、10年以上前に「当時の武田薬品社長の長谷川（閑史）さんが決めた」というのが通説。順番が来れば使命として受け入れることになり、担い手不足が慢性化している他団体からすれば「羨ましい」妙手にも映るようだが、決していい面ばかりではない。　業界活動に詳しい関係者は、「好むと好まざるとにかかわらず回ってくる」弊害が大きいと指摘する。つまり「周囲から嘱望されて務める... 「モノ言わぬお行儀の良い業界」との評価が定着した製薬業界の団体トップ人事が今月下旬に行われる。日本製薬工業協会では、筆頭副会長の田辺三菱製薬の上野裕明代表取締役が新会長に選出され、連動して現製薬協会長のエーザイの岡田安史代表執行役COOが日本製薬団体連合会の会長に就任する。こうしたトップ人事は、幹部会員企業で申し合わせた「輪番制」で決まっているため、既定路線である。　会長会社の輪番制については、10年以上前に「当時の武田薬品社長の長谷川（閑史）さんが決めた」というのが通説。順番が来れば使命として受け入れることになり、担い手不足が慢性化している他団体からすれば「羨ましい」妙手にも映るようだが、決していい面ばかりではない。　業界活動に詳しい関係者は、「好むと好まざるとにかかわらず回ってくる」弊害が大きいと指摘する。つまり「周囲から嘱望されて務めるポ

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