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臨床研究と患者の人権

第6シリーズ② 知らされなかった有害事象情報

ジャーナリスト 出河雅彦

2023年6月1日号

東京大学医科学研究所  全国各地の大学病院で行われていたがんペプチドワクチンの臨床試験で有害事象がどのように取り扱われているかを取材するため、筆者が最初にしたことは、東京大学医科学研究所からペプチドの提供を受けて臨床試験を実施しているキャプティベーション・ネットワーク所属の大学病院の臨床試験実施状況を把握することだった。  東大医科研ヒトゲノム解析センターの中村祐輔教授(当時、現医薬基盤・健康・栄養研究所理事長)の研究室のホームページを見ると、がんペプチドワクチンの臨床試験を行っている大学病院のリストが掲載されていた。それらのうち国公立大学病院に関しては情報公開制度を利用して臨床試験実施計画書などの法人文書の開示を各大学に求めた。法人文書開示請求を行った国公立大学は16大学にのぼる。  私立大学病院など... 東京大学医科学研究所  全国各地の大学病院で行われていたがんペプチドワクチンの臨床試験で有害事象がどのように取り扱われているかを取材するため、筆者が最初にしたことは、東京大学医科学研究所からペプチドの提供を受けて臨床試験を実施しているキャプティベーション・ネットワーク所属の大学病院の臨床試験実施状況を把握することだった。  東大医科研ヒトゲノム解析センターの中村祐輔教授(当時、現医薬基盤・健康・栄養研究所理事長)の研究室のホームページを見ると、がんペプチドワクチンの臨床試験を行っている大学病院のリストが掲載されていた。それらのうち国公立大学病院に関しては情報公開制度を利用して臨床試験実施計画書などの法人文書の開示を各大学に求めた。法人文書開示請求を行った国公立大学は16大学にのぼる。  私立大学病院など、

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