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近くて遠い不思議の国
2023年6月1日号
3月末、アステラス製薬の中国現地法人の日本人幹部が「反スパイ法」違反容疑で中国当局に拘束された。なお、いまだにいかなる行為・行動が「反スパイ法」に違反し抵触したのか一切明らかにされていない。拘束されたアステラスの社員は、現地法人のトップや顧問を務めていた。中国の滞在歴が通算で20年にも及ぶ、中国通の人物として北京の日系企業の間ではよく知られた存在だった。
それにしても日本人会社員が、前触れもなく当局に突然拘束されたのである。この事実に驚愕するとともに、改めて「中国ビジネスに潜むリスク」を認識させられた。中国におけるビジネスでの最大のリスク要因は、曖昧な法規定とその恣意的運用にあるとされている。
今回の事案も反スパイ法の定義の曖昧さと恣意的運用の一例とも言えるのではなかろうか。
中国は14年以降、反スパ...
3月末、アステラス製薬の中国現地法人の日本人幹部が「反スパイ法」違反容疑で中国当局に拘束された。なお、いまだにいかなる行為・行動が「反スパイ法」に違反し抵触したのか一切明らかにされていない。拘束されたアステラスの社員は、現地法人のトップや顧問を務めていた。中国の滞在歴が通算で20年にも及ぶ、中国通の人物として北京の日系企業の間ではよく知られた存在だった。
それにしても日本人会社員が、前触れもなく当局に突然拘束されたのである。この事実に驚愕するとともに、改めて「中国ビジネスに潜むリスク」を認識させられた。中国におけるビジネスでの最大のリスク要因は、曖昧な法規定とその恣意的運用にあるとされている。
今回の事案も反スパイ法の定義の曖昧さと恣意的運用の一例とも言えるのではなかろうか。
中国は14年以降、反スパイ法
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