医薬経済オンライン

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読む医療ー医者が書いた本の斜め読みー

失血死した2人の大統領

第218回

大西一幸

2023年6月1日号

黒衣の外科医たち 恐ろしくも驚異的な手術の歴史 アーノルド・ファン・デ・ラール 福井久美子訳/鈴木晃仁監訳 晶文社/2022年12月刊  普段考えたことはないのだが、遭遇すると血に弱い。自らの出血はまったく平気なのだが、他人が突然出血したりすると失神したり、気持ち悪くなって嘔吐しそうになる。  ただ、気を失ったのは11歳のときだけだ。前の席に座っていたN君が彫刻刀でスパッと左手の人差し指を切り、勢いよく血が噴き出した。そこまでは克明に覚えているが、目覚めたのは保健室だった。嘔吐を覚えたことは何度かある。友人の自転車事故、喧嘩、大学構内でのゲバルト。だが最も記憶に残っているのは麻雀だ。全自動卓で、配牌されるときはわからなかったが、理牌しているうちに牌が赤く濡れている牌に気付いた。「何で赤いんだ」と誰かが言って、ひとりが「... 黒衣の外科医たち 恐ろしくも驚異的な手術の歴史 アーノルド・ファン・デ・ラール 福井久美子訳/鈴木晃仁監訳 晶文社/2022年12月刊  普段考えたことはないのだが、遭遇すると血に弱い。自らの出血はまったく平気なのだが、他人が突然出血したりすると失神したり、気持ち悪くなって嘔吐しそうになる。  ただ、気を失ったのは11歳のときだけだ。前の席に座っていたN君が彫刻刀でスパッと左手の人差し指を切り、勢いよく血が噴き出した。そこまでは克明に覚えているが、目覚めたのは保健室だった。嘔吐を覚えたことは何度かある。友人の自転車事故、喧嘩、大学構内でのゲバルト。だが最も記憶に残っているのは麻雀だ。全自動卓で、配牌されるときはわからなかったが、理牌しているうちに牌が赤く濡れている牌に気付いた。「何で赤いんだ」と誰かが言って、ひとりが「あっ

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