家計簿目線の医療経済 コスパ患者学
合併症のない高血圧に対するアジルサルタン:降圧はアムロジピンに劣りながら薬剤費は高
第21回
黒澤 恵
2023年6月1日号
現在、日本で最も売上高の多い降圧薬はARBの「アジルサルタン」である。21年売上高は750億円を超えた。ジェネリック医薬品が登場するため今後売上げは減少していくが、それでも近年の売上げは降圧薬でダントツである。
さて日本の高血圧ガイドラインは原則として第一選択薬を「Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬」の4種とし、「もっとも降圧効果が高く、合併する種々の病態に適した降圧薬を選択する」よう推奨している(①)。薬剤ごとに使用が推奨されている「積極的適応」(合併症)がなければ、当該患者の血圧を最も低下させる薬剤を選べということである。では現在売上げナンバーワンを誇るアジルサルタンはどれほど強力な降圧作用を持つのか、調べてみると肩透かしとしか言いようのない結果だった。
それが「ACS1」研究だ。日本で実施されたランダム化比較試験である...
現在、日本で最も売上高の多い降圧薬はARBの「アジルサルタン」である。21年売上高は750億円を超えた。ジェネリック医薬品が登場するため今後売上げは減少していくが、それでも近年の売上げは降圧薬でダントツである。
さて日本の高血圧ガイドラインは原則として第一選択薬を「Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬」の4種とし、「もっとも降圧効果が高く、合併する種々の病態に適した降圧薬を選択する」よう推奨している(①)。薬剤ごとに使用が推奨されている「積極的適応」(合併症)がなければ、当該患者の血圧を最も低下させる薬剤を選べということである。では現在売上げナンバーワンを誇るアジルサルタンはどれほど強力な降圧作用を持つのか、調べてみると肩透かしとしか言いようのない結果だった。
それが「ACS1」研究だ。日本で実施されたランダム化比較試験である(②
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